HOME  |  目的別How To  |  衣類・服飾雑貨のお手入れ  |  Q&A  |  洗濯用無添加石けんにアルカリ剤は必要ですか?

洗濯用無添加石けんにアルカリ剤は必要ですか?

洗濯の際、無添加の粉石鹸や液体石鹸には、炭酸ソーダ(炭酸塩)セスキ炭酸ソーダ等のアルカリ剤を併用することを強くお勧めします。

アルカリ剤追加がお勧めの理由

石鹸液をアルカリ性に保つ

アルカリ剤には洗浄液をアルカリ性に保つ「アルカリ緩衝作用」があります。アルカリ剤が適量溶けている液には、多少の酸性物質が入ってきても洗浄液が大きく酸性に傾くことはありません。

石鹸はアルカリ性の環境下で初めて洗浄力を発揮する為、液性を適切に保つアルカリ剤の併用は理に適っています。

アルカリ剤が無いとこうなる

  • 石鹸液が汚れによって酸性に傾き易くなり、洗浄力が弱まる。結果、黒ずみや臭いが出る。
  • 石鹸液が酸性に傾くと石鹸カスの一種「酸性石鹸」が出来やすくなる。酸性石鹸は繊維に残留し、黒ずみ、ベタつき、臭いの原因になる。
  • 液のアルカリ性を保つ為にはその分多めの石鹸を使う必要がある。有機物である石鹸は、無機物であるアルカリ剤よりも環境に掛ける負担が大きい。

無添剤石鹸のみで洗濯する事の問題点については「ニセ科学と石けんの諸問題・洗濯用「無添剤」石けんの問題点」で詳しく解説しています。

アルカリ剤にも洗浄力がある

アルカリ剤は油脂を乳化し、タンパク質を分解する作用があります。つまり、アルカリ剤は石鹸の洗浄力を補佐しつつ、自身で汚れ落としもある程度行うのです。そのため、石鹸の使用量削減に役立ちます。

使い方のコツ

低水位の水を張ったらまずアルカリ剤を入れます。その後に粉石鹸を入れてしっかり泡立てると石鹸の洗浄力を最大限に引き出すことが出来ます。

アルカリ剤についての詳細は「アルカリとは アルカリ剤の使い分け方から専門知識まで 」をご参照ください。

炭酸ソーダとセスキ炭酸ソーダを使い分ける

通常の洗濯には炭酸ソーダ(炭酸塩)がお勧めです。pHが高く、石鹸の洗浄力をしっかりと補佐してくれます。

毛・絹の洗濯にはセスキ炭酸ソーダが適しています。炭酸ソーダよりもアルカリ性が穏やかなので、繊細なタンパク質繊維に大きな負荷を与えません。

2020年2月改訂(2009年11月初出)

ページのトップへ移動