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部屋干しの臭いの原因は?

臭いの原因物質

洗濯物を部屋で干すと「部屋干し臭」と呼ばれる不快な臭いが出る事があります。この臭いは主に以下の様な物質が原因です。

  • 中鎖アルデヒド
  • 中鎖アルコール
  • ケトン
  • 窒素化合物
  • 硫黄化合物
  • 脂肪酸

洗濯で落ちなかった皮脂や垢などの汚れが変質したり、その汚れをエサに雑菌が繁殖したりすると臭いの原因物質が生成されます。

「部屋干し」で臭いやすい訳

外干しに比べて部屋干しが臭いやすいのは以下が原因として考えられます。

濡れた状態が長く続く

部屋干しは、外干しより乾くのに時間が掛かります。つまり雑菌の繁殖に必要な水分が洗濯物に長く保たれている訳です。

その結果、雑菌が活動できる時間が長くなり、臭いの原因物質の生成が促されてしまいます。

紫外線で殺菌できない

紫外線には殺菌作用があります。部屋干しでは日光に当たることが少ない為、紫外線による殺菌がほとんど期待できません。

部屋干し臭を防ぐコツ

洗濯物に汚れを出来るだけ残さない。雑菌類が増えやすい環境にしない。これらが臭い防止のコツです。

熱いお湯で洗う

汚れのきつい洗濯物は40度以上の熱めの湯で洗ってみましょう。

水温が上がると繊維にこびり付いたガンコ汚れが緩みます。すると、同じ石鹸や洗剤で洗っても汚れ落ちが良くなります。

洗浄力の強い高温タイプの粉石鹸を使えばさらに効果的です。

セスキプラスは60℃以上では使わないで下さい。洗浄用酵素が変質し洗浄力が落ちます。

煮洗い

究極の高温洗濯「煮洗い」も部屋干し臭防止には大変効果的です。

ただし、高温によりある程度生地は傷みます。風合いを大切にしたい繊細な衣類や熱に弱い衣類には適用せず、タオルや布巾、綿製布ナプキン、綿の普段着など、丈夫な布製品に行って下さい。

アルカリ剤での事前浸け置き

皮脂汚れ(脂肪酸汚れ)にはセスキ炭酸ソーダ等のアルカリ剤も効果があります。皮脂で酷く汚れた時は、本格的に洗う前にアルカリ剤を溶かした水で浸け置きしたり予洗いしたりしてみましょう。

過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)で浸け置き

熱めの湯に溶かした過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)にしばらく浸けます。過炭酸ナトリウムには殺菌作用がある為、雑菌由来の臭いに特に効果があります。

ただし、熱やアルカリ、酸化作用に弱い繊細な衣類にはこの方法は使えません。事前に取り扱い表示をよく確かめて下さい。

過炭酸ナトリウムでの「洗濯」を定期的に取り入れるのも部屋干し臭抑制には効果的です。

石鹸を正しく使う

普段から必要量の石鹸をしっかり溶かして洗う。洗い終わった洗濯物はすぐに干す。

これら基本的なことを守るのも臭い防止には大いに効果的です。

干す時は風通し良く

部屋干しをする際は洗濯物同士にできるだけ隙間を空けましょう。扇風機やエアコンの風を直接当てるのも良い方法です。

除菌・消臭作用のある製品を取り入れる

除菌・消臭作用のある衣類のリンスや、除菌消臭スプレー類を状況に応じて利用するのも一手です。

これらのみで部屋干し臭を消すことは難しいのですが、根本的な改善がなされるまでのお助けアイテムとして役立てる事はできます。

2020年2月改訂(2010年5月初出)

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