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00:はじめに

ナチュラルクリーニングが大きく広がったことは大変喜ばしいことですが、特に重曹やクエン酸、過炭酸ナトリウムの間違った使い方が本やネットに蔓延していることに大きな問題を感じています。正しい使い方と間違った使い方が混在しているので実にややこしい。
きれいな写真にもっともらしい解説なのですが、ホントにやっているとは到底思えない。消費者をバカにしているとしか思えない。
また、ナチュクリを語りながら、合成洗剤や電解水などナチュクリとは言えないものが紛れ込んでいることにも注意していただきたい。
正しいナチュラルクリーニングは、安全な素材で手間をかけずに楽にピカピカにすることができます。

間違った使い方をすると、手間がかかるし、楽ちんどころか面倒になってしまい、やがて「ナチュラルクリーニングなんてダメねっ」ってことになってしまうのは明らかでしょう。現に、石けんを使うことは決して難しくないのに、「石けんは難しい」が常識になってしまっています。

タチが悪いのは、キレイにならない間違った方法を紹介しておいて、「蓄積した汚れや頑固な黒カビの掃除にはかなりの労力が要ります。汚れがひどい場合は、プロのクリーニングに依頼するのがおすすめです」なんて言ってプロのハウスクリーニングを紹介するところが随所に見られます。
プロがどんな洗剤を使っているのかはわかりませんが、当然塩素や塩酸など強力なものを使ってきれいに仕上げるのでしょう。間違いだらけのナチュラルクリーニングで失敗させておいて、プロを紹介する……なんともけしからん。

2000年2月に石けん百貨は日本で初めてセスキ炭酸ソーダを商品化しました。
セスキを洗濯や掃除に使うのは世界で日本だけだったので、正しい使い方を、当時活発だった掲示板「せっけん楽会」でお客さまと喧々諤々議論しながら創り上げていきました。

2001年8月、セスキ炭酸ソーダの人気が高まってきたので、地の塩社さんとの共同製作で「アルカリウォッシュ」として販売することになりました。
同時に石けんや重曹、炭酸ソーダ、クエン酸、過炭酸ナトリウムについての正しい使い方や詳しい情報をどんどん発信し、「せっけん楽会」で活発に意見交換をして行く中で、それらを使う方がどんどん増えていきました。
そしてその成果は以下のように情報サイト「石鹸百科」に反映され、併せて大手出版社での監修、メディアでの紹介、出演などにより、大きく広がりました。

  • 2001年11月 「石けん達人講座・洗濯編」発表
  • 2002年12月 「石けん百貨版 Oh!掃除のコツ」発表
  • 2005年11月  動画版「石けん達人講座・洗濯編」発表
  • 2006年01月 「布ナプキンのABC」発表
  • 2006年11月 「石けんシャンプーのABC」 動画版「石けん達人講座・シャンプー編」発表
  • 2006年12月 「ニセ科学と石けんの諸問題」発表
  • 2008年02月 「読んで美に効く基礎講座」開設
  • 2011年05月 「アルカリと酸で洗う本」監修(出版社:せせらぎ出版)
  • 2012年07月 「始めよう!セスキ炭酸生活」監修(出版社:メディアファクトリー 現KADOKAWA)
  • 2012年11月  洗濯用酵素洗剤「セスキプラス」発売
  • 2012年12月 「過炭酸ナトリウムで洗濯槽まるごと除菌」監修(出版社:宝島社)
  • 2013年03月  BSSラジオ 自由ほんぽーおしゃべり本舗で石けんの話題について 電話インタビューに猪ノ口幹雄が回答
  • 2013年04月 「百貨流お洗濯術」の発表
  • 2013年12月  NHK「あさイチ」で石鹸百科監修「アルカリと酸で洗う本」が紹介された
  • 2014年06月  当時の社長猪ノ口がNHK「あさイチ」に出演し、過炭酸ナトリウムについて解説
  • 2014年10月  NHK あさイチ「洗剤使わなくてもお皿やお茶碗の油汚れスッキリ」に猪ノ口幹雄が出演
  • 2014年10月  仙台放送スーパーニュース 生活情報ファアイル「頑固な汚れを酸素の力で漂白」に猪ノ口幹雄が電話出演
  • 2017年08月 「すごい!セスキ掃除」監修(出版社:KADOKAWA)
  • 2017年12月 「驚きのパワー!重曹・セスキ掃除術」監修(出版社:宝島社)
  • 2018年12月  NHK総合「ネーミングバラエティー 日本人のおなまえっ!▽大掃除直前おそうじグッズお名前」で猪ノ口幹雄が「クエン酸」について解説

石けん、セスキ炭酸ソーダ、過炭酸ナトリウム、炭酸塩、クエン酸、重曹などを正しく使った洗浄方法こそが真のナチュラルクリーニングであり、石けん百貨と活発に意見を寄せて下った方々は、ナチュラルクリーニングのパイオニアだったのです。

私は今年6月で76歳になります。
ナチュラルクリーニングのパイオニアの一人としては、間違った情報を放置するわけにはいきません。
そこで、私、「ナチュクリじじい」が、間違いを具体的に指摘し、正しい使い方を提案する「間違いだらけのナチュラルクリーニングを斬る」を発表することにしました。この50年間に培ってきた楽にピカピカにする本物の「技」も併せて紹介したいと思います。
また、足腰がしっかりしているうちに、みなさまのところに出かけて、50年の技を直接お伝えするワークショップも予定しています。
ご期待ください。

コラム

石けん百貨とセスキ炭酸ソーダとの出会い

「達人洗濯講座」(2000年11月、動画版は2005年11月発表)を作る中で、石けんの優れた洗浄力を改めて確認しましたが、同時に現在の「着たら洗う」ライフスタイルに石けんだけでなく、もっと環境負荷の小さい洗剤、洗浄方法はないかと考えました。
そのような時、石けん百貨のスタッフの中に「友の会(羽仁もと子の思想に賛同した女性たちによって生まれた団体)の会員Tさんがいて、彼女がセスキを百貨に持ち込んだのです。
当初、セスキは自動食器洗い機の主剤などとして検討していましたが、掃除や布ナプキン・布おむつの洗濯などに非常に優れた効果があることが分かり、やがてそれが「アルカリ洗濯」に繋がっていくことになったのです。
数年前入手した「友の会」誌1951年(昭和29年)7月号の「洗濯の工夫」という記事の中に「下着の汗流しにセスキを使って」という記事がありました。以下紹介します。古い資料なので、読みにくいところは私の解釈で書きました。間違いがあれば、見つけた方はお教えください。

●下着の汗落しにセスキを使って
この間、毎日きかえる下着やブラウスの汗を落すのに、水だけではきもちがわるいし、かといって石鹸で洗うほどでもなし、というのでセスキを使ってみましたらなかなかよいようです。3リットルの水に大匙2杯のセスキを入れた水をつくっておき、脱ぐとすぐにこの中につけます。汗や脂もよくおちて白く上りますし、すゝぎも楽ですし、大へん安費ですみます。

なんと「友の会」は70年も前から、セスキを使っていたのですね。素晴らしい先駆者がいたのだなぁ、と感動しました。

これまでにもセスキ炭酸ソーダの洗浄剤としての商品化は他社でも試みられていました。石けん百貨がセスキ炭酸ソーダの商品化を始めた頃、炭酸ソーダを製造している大手化学メーカーの役員の方にお会いした時の話です。同氏は「Washing soda」としてセスキ炭酸ソーダの商品化を企画されたのですが、当時アルカリ洗浄は日本では忘れ去られた状態にあり市場性に見通しが立たないため、商品化は断念されたのだそうです。
ちなみに海外では、炭酸ソーダを米国のArm & Hammer が「Super Washing Soda」として、ニュージーランドのGREENWOODSが「WASHING SODA」として販売していました。

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