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07:洗濯槽の掃除に酢を使ってはいけない

インターネットで情報を探す時代になりましたが、非科学的な情報があふれています。 その見分け方は十分注意が求められます。

洗濯槽の掃除に酢を勧める以下のような記述が多くみられます。

『お酢を使って洗濯をすると洗濯物だけではなく、洗濯機にも驚きの効果があるのです。お酢がカビ対策や洗浄効果も期待できると言われています。』

『お酢は酸性の液体なので、アルカリ性の石鹸カスや水垢を落とすことができます。
洗濯機の中にはアルカリ性の汚れで一杯なので、お酢はとても効果的な掃除道具なのです。』

『洗濯に使用するお酢は、砂糖が使われていない穀物酢を使いましょう。』

『お酢は体に害がないので後の洗濯が安心』

『素手についても害がないので、つけ置き中に他の場所も気兼ねなく掃除できる。』

『洗濯機に潜んだカビを「重曹と酢」を使って根こそぎ落とす方法を分かりやすく紹介していきます。』

確かに酢は安全であり、酸性なので石けんカスを溶かしたり、アルカリ性である尿の臭いを中和したりする働きがあります。
しかし、酢を洗濯槽の掃除に利用することについて、先ず酢にはへばりついたカビを除去するパワーはないだけでなく、雑菌やカビの繁殖の原因になるなど、いろいろと問題があり、お勧めできません。

一般社団法人日本電機工業会は洗濯槽の掃除に酢を使うことについて、以下のように忠告しています。

『お酢によるカビの発生防止効果は確認できていません。また、お酢は洗濯機の金属部品を傷める危険性がありますので、洗濯機には使用しないでください。』

糖分を含まない穀物酢を使う、とのことですが、穀物酢は糖分以外にもアミノ酸やタンパク質、炭水化物などの養分が含まれており、洗濯槽に潜む細菌やカビの栄養源になります。
また、「酢の消臭効果と強い殺菌力」については、フジテレビ商品研究所による「お酢の殺菌効果」で、『お酢の効果で優れているのは「殺菌」ではなく、細菌の増殖を抑える「静菌」であることが判ります』として、「洗濯にお酢を利用することは適切とは言えません」と指摘しています。 詳しくは、以下をご参照ください。 https://www.fcg-r.co.jp/compare/enviro_140725.html

また、重曹と合わせて泡を発生させる掃除方法は、泡でカビや汚れを除去できるはずはないのですから、無駄なことはおやめなさい、と言わざるを得ません。
01:重曹にクエン酸を混ぜるのは止めなさい!!」を参考にしてください。

なお、セスキ炭酸ソーダや炭酸ソーダを使ってアルカリ洗濯を続けていると、洗濯物に白くて固い結晶が砕けたようなものが付くことがあります。これは炭酸ソーダ(炭酸塩)やセスキ炭酸ソーダが水中のカルシウム分と結合した炭酸カルシウムです。
炭酸カルシウムは洗濯槽のパルセーターの裏側などに薄く張り付き、それが厚みを増してくると洗濯の度に剥がれて水中に出てくるのです。放置すると、洗濯機の故障の原因になりますので、クエン酸で掃除することをお勧めします。
クエン酸は揮発しないため、洗濯槽に残ると洗濯槽の金属部分の錆や腐食による障害の原因となることがありますので、掃除をした後は、水でもう一度すすいで仕上げましょう。
掃除の方法は、石鹸百科「アルカリ洗濯で洗濯物に付く白くて固い結晶は何?」を参考にしてください。

酢はクエン酸と同じように、トイレ掃除や水垢落としなど、アルカリ剤では落ちない汚れに効果大で、またヘアリンスにも使えます。
しかし、洗濯槽の掃除には不向きであり、さらに重曹と混ぜて使うことなどは、効果がないばかりでなく、せっかくの手肌や環境に優しい資材のムダ遣いになります。

ネット上に溢れている間違った情報に注意してください。

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