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12:ウールや絹ものの洗濯とアルカリ

ウールや絹などのデリケートな繊維の洗濯には無添加の石けんが適しているといわれますが、石けんの洗浄力を保つためには、セスキ炭酸ソーダなどの比較的アルカリの弱い助剤を配合する必要があります。

弱い繊維を洗う場合に、重曹を併用して、粉石けんに配合されている炭酸塩をセスキ炭酸ソーダの形にしてpHを調整するということは昔から行われています。

ウールや絹はアルカリ性の洗濯液では傷むといわれますが、風合いを取るか、汚れ落ちを取るか、ということになります。

汚れ落ちを重視する場合は、以下を参考にしてください。

「一般に羊毛製品はアルカリに対する弱い性質が強調されすぎているが、洗剤中のアルカリ程度では繊維の損傷はほとんどなくむしろ洗浴中での機械力を大幅に弱め、また繊維に残留しやすいアルカリ分を十分に除去することも考慮しなければならない。よごれのひどい羊毛製品の洗濯では機械力を弱めた弱アルカリ性洗剤による30~40℃の短時間洗浄もしくは柔らかいブラシによる刷毛洗いなどが適している。」※1

また、「洗う その文化と石けん・洗剤」※2には「羊毛や絹ものに弱アルカリ性洗剤はよくないと言いますが」との質門に対して以下のように書かれています。

「いけないということはありません。むしろ弱アルカリ性の方が汚れが取れます。
大切なことは洗い方なのです。羊毛や絹ものは手荒なとりあつかいをすれば中性洗剤でも傷みます。
要は、たっぷりとした洗剤液の中でやわらかく押し洗いをするか、つかみ洗いをすることで、温度は、洗いもすすぎも30~35℃のぬるま湯を使ってください。」

※1 奥山春彦・皆川基著「洗剤・洗浄の事典」朝倉書店
※2 藤井徹也著 幸書房

次回は「13:液体石けんは洗濯には不向き」です。

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