Global Beauty(グローバルビューティー)へのインタビュー

植物のパワーをぎゅっと閉じこめた実力派コスメ。その確かな手ごたえを、あなたの素肌に実感して!

インタビュー

Global Beautyのブランドプロデューサー金子久美さんは
「読んで美に効く基礎知識」監修のおそらさんです
金子さんに、ブランド設立についてお聞きしました

Global Beauty Cosmeticsというブランドを作ろうと思ったきっかけを教えてください

私は約19年間、とある『自然派化粧品メーカー』の研究所に勤務していました。そこで知った化粧品処方の実態は、残念ながら私の理想とはかけ離れたものでした。たとえば・・・、化粧品をお使いになる皆さんが思っているよりも、『見た目』にこだわるメーカーが、とてもたくさん存在します。高額な価格で売るために、「容器のデザインや箱がいかに高級そうに見えるか」ということにコストをかけ、「中身よりパッケージの方が高額」という化粧品すらあります。また、『エコ』や『自然派』を謳うメーカーの中にも、環境汚染の原因となる合成添加物を使用し続けているメーカーが存在しています。「『安全・安心』という観点から消費者の立場に立った化粧品が少ない」ということに、私は長年疑問を抱き続け、「そんな現状に一石を投じなければ・・・」と感じていました。

私が理想とする化粧品がないならば、私自身が、「本当に使う方の立場に立ち、肌にとって有用な成分は積極的に配合し、添加物はできる限り使わない、『誠実な自然派化粧品』を作ろう」と思ったのがきっかけです。

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『安全・安心』という観点から、本当に消費者の立場に立った化粧品が少ない、というのは具体的にどういうことですか?

たとえば化粧品を使う立場から見れば、「コラーゲン、エラスチン配合」とパッケージに書かれていれば、「肌によさそう!」と思いますよね。でも、コラーゲンやヒアルロン酸、エラスチンというのは高分子で、通常は肌に塗っても吸収されません。それなのに、まるで吸収されて効果を発揮するかのように謳っている広告が見受けられます。

一方、防腐剤、酸化防止剤などの添加物は、通常低分子で、経皮吸収されやすいものも存在しているのに、「肌に塗っても吸収されない」とか「吸収されたとしても安全性が高い」というのです。このように、事実に反して、『吸収』という言葉をメーカーの都合で使い分けることが、まかり通っているのが現状です。

また、化粧品メーカーによっては、雀の涙程度にしか配合されていない植物エキスの方が、防腐剤や品質保持に使われる添加物より少ない場合も。それでも広告には、イメージアップの植物エキスばかりを謳っていることもあります。

つまり、『安全・安心』よりもメーカーの都合が優先されているんです。

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『エコ』や『自然派』を謳うメーカーの中にも 環境汚染の原因となる合成添加物を使用し続けているメーカーが存在している、ということについて、もっと詳しく教えてください

エコや自然派を謳うなら、人体や環境への配慮も必要だと私は考えています。でも、実際はこういった配慮のない自然派化粧品も存在します。

たとえば、化粧品に添加されるエデト酸やエチドロン酸などのキレート剤。これは添加量からいって、体内に取り込まれても、即、人体に有害とはいえないかもしれません。でも、これらのキレート剤と類似化合物は、科学的にその構造が『難分解性』です。つまり、このような化学物質が排水などを介して環境中に排出されると、水棲生物や地球環境にも悪影響を与える可能性が高いのです。

キレート剤としては、エデト酸塩(EDTA-2Na、EDTA-3Na、EDTA-4Na)が最もよく使用されていますが、これはPRTR法(化学物質管理法)という法律で第一種指定化学物質に指定されている『有害な化合物』のひとつ。そのため、最近は、自然派と呼ばれる化粧品は特に、エチドロン酸を代用するケースが増えています。エチドロン酸はエデト酸塩に比べたらそれほど毒性は強くないので、PRTR法では指定されていませんが、使用量が増えれば指定される可能性がないわけではありません。

「そういった成分を配合していながら、エコや自然派を謳うのは矛盾しているのでは?」と、私は考えています。

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防腐剤を使用していないGlobal Beautyの化粧品が、常温で保存でき、腐敗しないのは何故ですか?

企業秘密もありますので、詳しくは申し上げられませんが、当社では植物由来の抗菌成分を活用することにより、「防腐剤」を添加しなくても未開封で3年間、開封後も2ヶ月間保管できる化粧品を作りました。また、保湿剤の中には、使用することで、雑菌の繁殖を抑える効果のあるものがいくつかありますので、それらを積極的に活用することで、防腐剤無添加であっても腐敗しない化粧品を作り上げることができたのです。

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洗顔石鹸は、化粧品メーカーの石鹸としてはめずらしく『牛脂』主体の石鹸素地なんですね! あえて牛脂にされた理由はなんですか?

石鹸を作る原材料の油脂としても、環境保護のためにも、牛脂が最適だと当社では考えているからです。

まず、原材料としてのお話をしますと・・・

牛脂主体の石鹸は、皮脂汚れを非常によく落とします。が、肌の潤いに必要な角質細胞間脂質は落としにくい。つまり、理想の『選択洗浄性』を持った石鹸なんです! 牛脂の優秀さは昔から知られていて、石鹸の黄金比は『牛脂:ヤシ油 = 8:2あるいは7:3』といわれています。この配合が、泡立ち、泡質、汚れ落ち、肌への優しさからいって、最高なんですね。当社で使用している石鹸の原料油脂は まさに『牛脂:ヤシ油 = 8:2』の黄金比の石鹸。きめ細やかでクリーミーな泡立ちで、汚れをしっかり落としながらつっぱり感の少ない、快適な使い心地に仕上がりました。ぜひ、その使用感をお試しください!

で、「こんなにすばらしい成分である牛脂を、他社がなぜ使わなくなったか」ということなんですが、一言でいうと「イメージが悪いから」。BSEの発生以来、牛脂は石鹸の原料として使われることが少なくなってしまいました。

でも、牛脂は、石鹸に加工されるとBSEのリスクが全くなくなります。作る工程で高温・高アルカリで油脂を加水分解するため、牛脂にBSEの病原菌プリオンがもし混じっていたとしても、その過程で必ず失活してしまうのです。詳しくは下記のサイトにも述べられています。

石鹸百科「 牛脂石鹸への牛海綿状脳症(BSE)の影響は?別ウィンドウで開きます

牛脂石鹸は安全であるにもかかわらず、BSE問題以降は、イメージ重視のため、主材料を牛脂からパーム油に切り替える業者が多く現われました。しかし、そのパーム油が、実は生産地において環境問題を引き起こしています。

続いて環境としてのお話をしますと・・・

マーガリンや食用油などの原材料として使われてきたパーム油。昨今は食用として大きく需要が伸びました。また食用だけでなく、化粧品、石鹸や洗剤、バイオディーゼル等の原料としても使われるようになりました。そして需要の伸びとともに、生産を増やすため、東南アジアなどの熱帯雨林が大量に伐採され、パーム農園に変えられたんです。それによって熱帯雨林に生息する生き物が住む場所を失ったり、農薬汚染の問題が発生したりしています。パーム油は、実はエコな素材と言い難い部分もあるんです。

一方、牛脂は、牛脂をとるために牛を殺傷しているのではありません。食用の牛肉として解体されたときに得られる油脂を活用しているので、とっても環境に優しい原料なんです。

石けん百貨 注:石鹸の『選択洗浄性』については、読んで美に効く基礎知識 お肌の保湿力キープのために出来ること…って?別ウィンドウで開きますでも詳しく解説しています。

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ブランドポリシーに「配合してもあまり意味がない成分(コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸等)はできる限り使用しません」とあります。これらの成分を「配合してもあまり意味がない」と思われるのはなぜですか?

コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などは原料が比較的高価な為、ほとんどのメーカーは微々たる配合量のみを添加して、商品のイメージアップにつなげています。でも、そのような微々たる配合量では効果は薄いというのが正直なところだからです。
 
なぜかというと・・・。先ほどもちょっとふれましたが、もう少し詳しくお話ししますね。コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸は、真皮に存在するものなので、それらが化粧品に配合されていると、一見肌の状態が改善しそうな気がします。でも、これらの成分は通常高分子なので、肌には吸収されず、角質の表面に膜をはったようにとどまるだけなんです。分子量数万の低分子コラーゲンというのも、最近は登場していますが、健康な肌(バリア機能が正常に働いている肌)が経皮吸収できる分子量は千以下といわれています。したがってこれも健康な肌には吸収されません。通過できるのは、バリア機能が低下した肌だけ。バリア機能が低下した肌では、数万の分子量のものでも経皮吸収してしまいます。「コラーゲンが吸収されるの?ラッキー!」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、そう都合よくはいかなくて・・・、そのような状態の肌に低分子コラーゲンの入った化粧品を使うのは、かえってトラブルの原因になる可能性が高く、おすすめできません。

とはいえ、これらの高分子成分は角質層の表面に膜をはってくれますので、保湿剤としての効果は、ある程度期待できなくもありません。ただ、この膜は非常に薄くて破れやすいので、保湿剤としての効果は低いものになります。また、こういう膜がはっていると、つけたときは『指がまるで吸い付くようなしっとり感』があるのですが、水分が蒸発すると肌の上の膜が破れたり縮んだりするので、時間が経ったとき、独特のつっぱり感を感じます。

このように、肌の表面に膜を張る保湿剤としての役割しか期待できないならば、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸よりも、もっと保湿剤としては優秀で価格の安いものはいくつもあるので、Global Beautyでは、それらを積極的に使用するという方針で処方設計しています。

健康で美しい肌とは、水分、脂質(皮脂と細胞間脂質)、NMF(天然保湿因子) の3つがバランスよく保たれている肌です。これを化粧品におきかえると「水分、 油分、保湿成分の3要素をバランスよく毎日のスキンケアで補えること」が、理想となります。

皮膚の構造や機能を考えると、肌の上にはもともと、皮脂膜という『天然のクリーム』が存在しています。これは、脂質(皮脂腺と表皮からの脂質)、汗(水分・ミネラル・尿素・乳酸・アミノ酸等)が、コレステロール(細胞間脂質由来の乳化成分)に よって乳化されたものです。それが肌をしっとり滑らかに保っているのであって、高分子の皮膜が肌表面にあるわけではないのです。

化粧品業界に長くいますと、今年はどんな成分の配合が流行しているか、新製品の動向で手にとるように見えてきます。かつてはコエンザイムQ10。今は、アスタキサンチンや低分子コラーゲン、ヒトオリゴペプチドなど。けっこう速いスピードで移り変わります。私は、その時々の化粧品の成分の『流行』や『見栄え』を追い求めるよりも、皮膚科学に基づき、肌本来の機能を見つめて研究開発した化粧品を作りたいと思いました。その理想を形にしたのが、Global Beautyという新たな化粧品ブランドです。

詳しくは、メーカーWEBサイトグローバルコスメワークス株式会社別ウィンドウで開きますもご覧ください。


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