石鹸が合成洗剤より分解が早いって本当ですか?だから環境に優しいの?
石鹸が合成洗剤より分解が早いというのは本当です。
一次分解は?
一次分解とは、石鹸や合成洗剤が界面活性作用を失った状態になることを指します。界面活性作用とは、油と水を混じりあわせたり、汚れを落としたりする作用のことです。
石鹸の一次分解は一瞬
石鹸は、臨界ミセル濃度以下になると一次分解終了です。
臨界ミセル濃度とは、石鹸が洗浄力を発揮できる濃度のことです。その濃度以下まで水で薄めれば、石鹸の一次分解は終わりです。
合成洗剤の一次分解は早くて1日
界面活性作用を失うまでの時間は早いもので丸1日程度とされます。種類によっては、数日から数十日かかる場合もあります。
究極分解は?
究極分解(完全分解)とは、一次分解後の物質が更に分解され、水や二酸化炭素などの無機物になった状態を指します。
石鹸の場合、一次分解された後に究極分解が終わるまで約1日かかります。
合成界面活性剤は種類によって様々ですが、遅い物だと数十日以上かかります。
このように、石鹸は排水となって環境に出たときに分解が早いため「環境に優しい」と言われます。逆に、合成界面活性剤は環境中により長く留まる為、環境に悪影響を与える可能性も石鹸より大きいと考えられます。
合成界面活性剤以外の成分について
合成洗剤には、合成界面活性剤の他に「キレート剤」「蛍光増白剤」等の添加剤が配合されています。それらの中には生分解性の悪いものもあり、川や海に長く溜まって悪影響を与える可能性もあります。
2020年4月改訂(2010年5月初出)
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