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これだけは知っておきたいアルカリ剤の特性

お掃除に、洗濯に、色々な使い道のあるアルカリ剤。

アルカリは汚れそのものを変化させて洗い流し易くします。その点が、水と油を「混ぜ合わせて」汚れを落とす界面活性剤との大きな違いです。

特性1:油汚れ、皮脂汚れに強い

アルカリは、油脂の成分である脂肪酸と反応して一種の石鹸を作ります。

石鹸のような性質になった油汚れは洗い流され易くなります。また、時には他の汚れを洗い流す助けにもなります。

アルカリ剤が皮脂汚れと合体して石鹸に変身!

特性2:タンパク質汚れに強い

タンパク質汚れの代表的なものは、垢(あか)、飲食物の食べこぼし、血液などです。

タンパク質は沢山のアミノ酸が結合してできています。アルカリはタンパク質の結合を切って分解したり、結合を緩めて構造を変化させたりすることができます。

結合を切られたり緩められたりしたタンパク質はもろくなり、繊維にしがみつく力も弱ってきます。その為、少しの力を加えるだけで洗い流すことができるのです。

アルカリ剤がタンパク質の結合を切って分解

特性3:アルミには使えない

アルミ製品をアルカリにさらすと、白く粉を吹いたようになります。アルミニウムとアルカリが反応して水酸化アルミニウムができた為です。

これは要するに、アルミニウムが腐食したということです。腐食が進むと鍋に穴が開いたり壊れたりします。

石鹸でさっと洗うくらいならあまり問題は置ないのですが、アルミ鍋で煮洗いなどするのは止めましょう。

アルミとアルカリについては、「煮洗いの鍋はアルミ鍋ではなぜだめなの?」もご覧ください。

アルミ鍋のお風呂に入るアルカリと泣くお鍋

汚れや場所に合わせて、アルカリ剤を使い分けよう

アルカリ剤には強弱があり、その強弱によって汚れ落ちが違います。使う場所・シーンに合わせて、アルカリ剤を適切に使い分けることが、上手に使うコツです。

例えば重曹はpHが低い(アルカリ性が弱い)ため洗濯には不向きです。粉石鹸にアルカリ助剤として加えるならpHの高い(アルカリ性がより強い)炭酸ソーダがお勧めです。

もし「アルカリ剤、いわれているほど汚れが落ちない」と感じているのなら、そのアルカリ剤に適した使い方ができているかどうかチェックしてみましょう。解決法が見えてくるかもしれません。

重曹・セスキ炭酸ソーダ・炭酸ソーダの強弱の図

2022年1月改訂

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