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石鹸に縦のひびが入るわけ

石鹸の作り方が原因

固形石鹸がふやけたり乾燥したりを繰り返すと、表面にひびが入ってきます。

この時、ひび割れの向きが同じ方向に揃うことがあるのは何故でしょう。それは、その石鹸の製法に理由があります。

ひびの向きが揃うのは「機械練り」

工場で固形石鹸を成型するには、機械練り法と枠練り法の2種類があります。縦の方向にひびが揃うのは「機械練り」の石鹸です。

機械練り

チップ状にした石鹸素地に香料などを加えて機械で練り混ぜ、棒状に押し出してから形を整えます。浴用石鹸など化粧石鹸に多く採用される製法です。

機械で棒状に押し出されていくときに石鹸の結晶の向きが揃い、押し出される方向(縦)に並んでゆきます。ひび割れる時にはその結晶の境目に沿って割れる為、縦にひび割れが揃うのです。

枠練り

石鹸素地が熱くて軟らかいうちに助剤などを加えて混ぜ、枠の中に流し込みます。そして自然に冷えて固まるのを待って切り分け、成型する方法です。

洗濯石鹸など家事用石鹸に比較的よく採用されます。

枠練りの石鹸はひび割れしにくく、ひび割れたとしてもその方向に規則性はありません。これは、枠の中でゆっくりと冷えて固まるので石鹸の結晶が大きく成長する為です。

機械練りのように細長い結晶がぎゅっと圧縮されてくっついている訳ではないので、ひび割れにくく、水でふやけたり溶け崩れたりもしにくいのです。

機械練り、枠練り、どちらにも利点が

枠練りに比べてひび割れやすく溶け崩れやすい機械練り石鹸。こう書くとあまり良くない石鹸のようです。しかしそんなことはありません。

水でふやけやすいと言うことは、濡らして少しこするだけで簡単に泡立ってくれるということ。忙しい朝の洗顔や手洗いにはぴったりです。化粧石鹸に機械練りが多いのはこの為です。

ひび割れを防ぐには、使用後によく水を切っておくことです。最後まできれいな姿で使えるよう石鹸置きも水切れの良い製品を選びましょう。

2020年6月改訂

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